戦士

戦時中の「国家と国民」と、現代の「会社と社員」は似てると思った④

前回③からの続きです。

「何に従って生きるのか」に向き合えているか

振り返ってみると自分は、幼い頃からいわゆる場の「空気」というものに、何かしらの警戒心のようなものを感じている気がします。

  • 学校のクラスの中で生まれる「○○ちゃん、むかつくから無視しよう」という空気。
  • 「○○が今、流行ってるらしいよ」で、みんなが同じものを揃える空気。
  • コミュニティの中に生まれる「あちらより、自分たちの方が正しい」という空気。
  • 「いい大学に入って、大手企業に就職するのがいい」という空気。・・・

気を抜くと、そこにいるだけで自分もその空気の色に染まっていることに恐怖を感じます。

  • 特にイヤなこともされていないのにそのコを無視している自分。
  • 別に欲しいと思ったわけではないけど、とりあえず同じものを買ってしまう自分。
  • あちらの言い分や思想も知らないのに、自分たちが正しいと思いこむ自分。
  • 有名企業にいかないと老後がヤバイんじゃないかと不安になる自分・・・。

戦争資料館で感じるのは、それと同じような「空気」です。きっと彼らも、戦争を主導していた人たちであっても、「これをするしかない」という空気に取り込まれてしまい、自分たちでは逃れられないところまで空気が濃くなってしまったという印象です。「こんなの、絶対よくないよね・・・」そう感じてた人も多くいたと思いますが、それを言いだせない空気。

数年前に、「KY(空気が読めない)」という言葉がはやったことがありましたが、私はKYな人が好きです。空気を読まずに発した言葉や行動内容の是非は別として、KYな行為をできる人って面白いです。滞っていた空気をかき消してくれるような爽快感。空気は読むものではなく創るもの、と思っています。

あわせて、最近自分は、「思考停止が様々な問題の元凶」なんじゃないかと考えています。このことについてはここでは多くは書きませんが、「空気を読」んだり、「自分で考えない」がゆえに自分の素直な好悪・良心・違和感・罪悪感がないがしろにされることによって、本来防げたであろう空気をかえって蔓延させてしまうのではないかと。そしてその空気に染まった社会が広がる悪循環。

現代では戦争の時と比べて、個人が自分の意志で選択できることだらけです。勉強したいこと、行きたい学校、熱中したいこと。恋愛する相手、結婚する相手、いつ結婚するか。どこに暮らすか、どういう仕事をするか、どういう生き方をするか。いろんな資料館に行ったり書籍を読むたび、戦時中やそれよりもさらに過去の日本に生きていた人たちのことを思うと、こういう時代に今生きていられることを、本当に有り難いなと感じます。

だからこそ、いつ変わるかもわからない社会や会社の空気に従って生きるのではなく、何か起きても「私の人生どうしてくれるの!!」と何かのせいにするのではなく、「これは自分で選んだこと」と引き受けて生きていけるよう、自分の指針と向き合いながら一日一日を進めていきたいと思いました。

ちなみに私の最終目標は「笑って大往生」です。

答えに迷った時は、「これをしたら、しなかったら、私は笑って死ねるか?」と自問するようにしています。

 

全然知らないままでいた日本の歴史、戦争のこと
終わった後に残ったのはやり場のない憤りと虚しさ
状況や時代によって変わってしまう脆い価値
④ 「何に従って生きるのか」に向き合えているか

 

施設名 昭和館
URL http://www.showakan.go.jp/
住  所 東京都千代田区九段南1-6-1
アクセス 地下鉄 東西線・新宿線・半蔵門線 九段下駅4番出口
JR飯田橋駅 徒歩約10分
営業時間 10:00~17:30(最終入館17:00)
休  館 毎週月曜(祝日の場合は火曜)、年末年始 他
料  金 常設展 一般 300円、高校・大学生 150円
中学生以下 無料
※その他のフロアは無料
観覧時間目安  常設展 30~1時間
(うしじま観覧時間:2時間)

近くには靖国神社内の遊就館もあります。こちらとも合わせて、戦争のことについて知ることができます。