【選挙】今さらながらの新たな発見

前回(【選挙】どの党・どの候補者に入れるか比較して考えてみるということ)からの続きです。

選挙を明日に控えて、政党・政策マッチングサイトを眺めたり、争点について調べているときに、個人的に今さらながらにふと思ったことです。

目次

新たに発見した7つのこと

1. これまでノーチェックだった中小政党、無所属候補

割とこれまでは、与野党それぞれの大きな政党ばかりを見ていました。それ以外の党は、生まれては消え、毎回違う党が入れ替わり立ち代わり出てきているという印象だったということと、はたしてその人たちが議席を取ったところでどうなんだろうか?と思っていて、はじめから見ていなかったりしていました。

ただ、今回、選定の結果で出てきた政党や候補者の公約を見てみると、なるほど確かに、結構自分の考えと似ているなと見受けられる点がありました。名前を聞くことはありましたが、「へぇ~、そういうことを考えているんだ」と知ることができたり、これまでの実績なども書かれており、今までスルーしていた情報に触れるきっかけになったのはよかったです。

2. 比例区でも名前を書けば、その人の当選順位があがる

お恥ずかしながら、今回知りました。

制度の名前としては「拘束名簿式」というらしいですが、2001年に「拘束名簿式」から変わっていたようです。わたしの認識の中では、その党の得票数によって党が決めた順位で当選者が決まっていく、いわゆる「拘束名簿式」のままでした・・・。なので、いくらその党がいいからと思ってその党に入れても、「えっ、この人?!」という人が名簿順位の上の方にいたらその人を当選させちゃうんでしょ、と思ってました・・・。なので、比例区はあまり候補者をこれまでちゃんと見ていなかった・・・。よかった、今回はちゃんと見ておこう。

3. 「支持政党なし」という名前の党があった

なかなかの衝撃でした笑。いわゆる無党派層の人たちに対して、「支持政党がなければ“支持政党なし”と投票を」と呼びかけるという内容から、なんてこずるい戦法を・・と見つけた時思いました。

ただ、この党のホームページを見たところ、ただ議席を取るのではなく、法案の採決の際には、ネットでの独自の事前投票で集めた賛成・反対の意見を、その割合に応じて自分たちがもつ議席で配分して、議決権を行使するらしいです。つまり、通常は自分が投票した議員や政党にお任せしている議決権ですが、この方法でなら、一般国民の声を直接反映させられるとのこと。しかも、彼らはその声を届ける使者であり、己のこだわりや政策は一切なし。斬新笑。

こういう発想は今までになく、いい悪いは別にして、これはこれで面白い、新しいなと。でもまぁ、議決権を行使するだけが、議員の仕事ではないでしょとは思います。

4. この争点についてはこちらに賛同するが、別の争点ではあちらと賛同する・・の場合の決めにくさ

同じ政党であっても、候補者によって力を入れる点が違ったり、そもそも反対意見をもっていたり。割と賛同するなと思う政党であっても、ここの部分はあまり賛同できないな・・ということがあります。

自分の中での優先順位で折り合いをつけてひとつを選ぶしかないのでしょうが、ここはいまだに解消できないモヤモヤ。党内でも考えが違った場合、やっぱり若い議員さんと年配議員さんだと、そこに力関係が出てしまうのかな・・と思ったり。

5. 二者択一じゃなくて、第三の方法はないの?

これは、マッチングサイトの質問の仕方に思ったのですが、例えば年金対策として「負担が増えても、現行の給付水準を保つべき」か「給付水準の引き下げもやむをえない」とありましたが、それだけではなくて、「財政上のムダをなくして~」ということもあるでしょ、と。これだと、納付額増加も給付額低下も、国民が涙を飲むしかない。さきほどの改憲に対して賛成か反対かもそうだけど、するなら何をどう改憲するかが大事であって、一概に賛成とも反対とも言えないとも思いました。

与えられた選択肢以外の存在を、自分で考えるということを忘れないようにしたいです。

6. マッチする候補者・政党が選定されても、きちんと内容を確認した方がいい

「あなたに合う政党・候補者はこれです」と表示されたあと、「ふむふむ、なるほど、じゃぁそうしよう」と早合点するのは危険だと思いました。

サイトによっては、自分が選んだ答えと、候補者たちの答えが一覧となって比較されるので、「この点だけはゆずれない」という争点が自分にあるのであれば、必ずそこは確認した方がいいです。選ばれる人は、あくまで総合点で選出されるので。総合点は高くても、ポイントとして「え、そこは違うよ!」ということが何回かありました。

7. 同じ争点について述べられている、いろんな視点をきちんと調べるのが大事。特に、なぜ彼らはそれを主張するのかの意図を想像すること。

どんなことにも言えますが、ひとつの物事にひとつの側面しかないということは絶対にないです。目の前にあるコップだって、富士山だって、全方位見る場所によって見える姿は異なります。

例えばA党の話で、「うんうん、そうか」と納得させられても、B党を調べてみれば、「え、あれを進めるとそういうことにもなるのか。」と発見があるし、ニュースサイトや個人サイトを見れば「あの主張の裏にはそういう意図があったのか」と、また自分の思考が開きます。真実っぽいこと、胡散臭いもの、色んな情報がありますが、何を信じるか信じないかは自分次第です。

色んな情報を寄せ集めることで、真っ白だったキャンバスに、点描画のようにその姿が現れてきます。美辞麗句の根元に広がっている、表には出てこない思惑や利権、彼らが本当はどこを目指しているのか。調べれば調べるほど、頭の中がこんがらがって、答えを出すことから遠ざかっていってしまいますが笑、でも、それをすることが本当に必要だと感じました。それをしない有権者たちが多いほど、政治屋さんたちには都合がいいんだろうなと思います。

さいごに

今回はこれまでの選挙の中で一番きちんと見比べたとは思いますが、それでも今議論されているいくつもの争点について、全然わかりきれていませんし自分の意見もまだとても不確かなものです。

争点も候補者も数多いため、これらをひとつひとつ見比べることの大変さに加え、自分の考えも確固としたものでなければ、いくらマッチングサイトで自分と合う人が選ばれたとしても、「本当にこの人にいれてしまっていいのか?」と不安になります。

この人に投票するということは、この人が選択した答えに賛同しているということ。今までは、なんとなくで投票する人を選んできてしまったけれど、それでも1票は1票。それによって、この国の暮らしや生活、国としての方向性の意思表示を無自覚にしてきていたんだと、今更ながらに反省しました。

これだけ大事なことを、きちんと自分で調べることなく、知っているからとかお願いされたからとか、雰囲気がよさそうだからとかで投票先を決めてしまうことは、不正や不祥事が起きてもただ不満を感じて見過ごすしかできない今の政治を、自分たちの手で延命させてしまっているのだと。

それにしても、争点をきちんと知って自分の意見を持つこと、それをもって政党や候補者を比較するには、それなりの時間と自発的な意志がないとできないと痛感しました。自分の日常生活の中にない出来事ですから、あえて新しく確保しなければいけない時間。

今回の選挙から18歳の人たちから選挙権が与えられるようになりました。18歳といえば、高校3年生の人たちもいます。出前授業というものが行われているようですが、選挙とは、投票とはということだけでなく、今何が争点になっているかとか、自分の選挙区の候補者がどのようなことを主張しているのかということを、中立に講義してくれるような場があったら、自分も行きたいなぁ。次回の選挙のときは、友人たちと勉強会でもしようかな。

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